ポンコツ北の大地へ

 

何から残そうか。

なにもかもを残そう。

私よ。覚えておくがいい。

 

 

 

38度超えの熱と頭痛と関節痛。お手本のような副反応で熱が下がらない。全然。結局丸3日寝込む。

 

3日寝込んでようやく熱も下がりさぁ出勤しようと4日目の朝ベットから起き上がったらぎっくり腰。絵に描いたようなぎっくり腰。

 

マンガかよ…

 

これ以上休めない…なんとしてもとにかく出勤しなければ…ぎっくり腰って寝てても治らないし…ある程度普通に生活してないと早く治らない…から…がんばって…仕事に…手押し車が欲しい…関取みたいな歩き方しかできない…泣…ただでさえ関取みたいなのに…泣…シコ踏まねぇよ…泣

 

鬼の形相でなんとか3日間仕事する。

 

その間、遠くで発生した台風がじわりじわりと近づいてくる。岸くんだけのせいではない。ご存知の通りあたしもとんでもなく雨女である。

 

「飛行機が飛ばなかったらどうしよう」

 

これだけがずっと頭の中でぐるぐるして、飛ばなかった時のためのシュミレーションをしては落ち込んで、航空会社に問い合わせたり念のため他の会社の便も予約してみたり、いや、飛ぶ!飛ぶはずだ!と唐突に現実逃避を始めたかと思えば、こんなまっすぐ向かってくる台風に勝てるわけがないじゃないか…きっと飛ばないんだ…ううぅぅ…を繰り返すまさに情緒不安定週間だった。

 

イライラしたり落ち込んだりしているうちにどうにかこうにか台風が空気読んでくれた。飛ぶ…飛ぶぞ…大丈夫だ…(歓喜)

 

前日仕事を終え、さぁ荷造りをと動き始めた時にとんでもなく恐ろしい事実に気づく。始発の電車を乗り継いでようやく搭乗時間に間に合うことが判明するのであった。万が一にも始発に乗り遅れたら。乗れたとして途中で遅延やストップする事態が起こったら。

 

飛行機に乗れない。

 

信じられない信じられない。早朝便ってそうゆうことか!!!!泣。逆に終電で空港に向かってベンチで寝るか…しかしまだ外は豪雨…泣。

 

くっっ…泣

 

疲れた…疲れたよぅ…この時点で3日寝込んだ挙句ぎっくり腰の疲労感がすごい…3日寝込んだ後の3連勤がきつい…泣…もう…このまま…寝よ…万が一にも電車が動かないならば…タクシーで…空港まで…

 

そうこうしてるうちにパッタリ記憶を無くしていたわけで。

 

3時に起きて始発列車がくる20分前に駅のホームに佇むわたし。亡き愛犬の遺骨ペンダントを身につけ母の形見のパールのピアスして緊張のあまり眉間に皺寄せて佇むわたし。ネイビーのワンピースの裾がひらひら風に泳ぐ。腰痛を庇うためにこれでもかとガニ股。とんでもなくガニ股で眉間に皺。すっぴん。ビン底メガネ。風が吹く。乱れる髪。まるで荒野。弔い合戦に挑むようないでたち。ひとりきり。

 

と思ったら何やら賑やか…ホームの改修をしてるおじさまたち3人。「おはようございまぁっす!散らかっててすみませぇんっ!ご迷惑おかけしまぁっす!」めちゃくちゃに元気よく明るく爽やか。ここで本日のひと泣き目。

 

「あぁ。岸くん。ここにも私たちの当たり前のために深めのナイトにお仕事してくれてるひとがいました…岸くん…ありがとう…このおじさまのお陰で…わたし…貴方達に逢いにゆけます…泣」

 

情緒。

 

ホームにするっと滑り込む始発列車に乗ってようやく出発。ここまできて吐きそう。だんだん明るくなってきて車窓から見える太陽のなんと美しいことか…泣

 

情緒。

 

もともとガラスのハートなので、とにかく心配。飛行機遠征初体験…1人で飛行機乗るの初めて。心配すぎて早足。ドキドキしすぎてなぜか階段かけあがる。お気づきだろうか。私すっかりぎっくり腰を完治させてる。この時点で。

 

どうにかたどり着いた保安検査場にて。靴を脱げと言われる。いやいや。まさか。そんなバカな。いくらなんでもあたしだって飛行機乗ったことくらいあるもん。(もん)  騙されないぞぅ!ってニヤニヤしてたら、くるぶしの高さまである靴はスリッパに履き替えて検査場を通らなきゃならないらしい。恥ずかしい。いつも飛行機乗る時夏だからサンダルだった。知らなくてごめんなさい。大人なのにごめんなさい。ブーツ脱いで預けてあたふたしながらゲートくぐる。ピンポン鳴る。パニック。ポケットに携帯入れたまま。携帯預けろって言われる。預けてようやく通り過ぎる。荷物とブーツ受け取って搭乗口へ。携帯を回収し忘れて係の人に追いかけられる。パニック。汗が止まらない。誰か助けて。落ち着いてわたし。

 

なんとか飛行機に乗る。席に座る。汗が止まらない。スッチーに声をかけられる。(スッチー) 「お客様のお座席1列前になります」パニック!!!泣。誰か!助けて!泣!自分が座るはずだった席に汗だくのおばさん座っててびっくりしてるティアラに謝る。平謝り。髪の毛くるんくるんでリボンついてるアースカラーの可愛い可愛いお洋服着た儚げなティアラたち。バックから100本くらいうちわがはみ出てる。かわいい。愛おしい。汗だくで謝るおばさんに「いえいえ。大丈夫ですよ。んふ。」なんて微笑む。なんなら土下座してもいい。汗が止まらない。離陸して20分経っても汗が止まらない。その時、謝った後ろの席に座る儚げティアラたちが「これ終点までだよね?」とか言ってる。え?へ?終点ってなによ。飛行機だよ。終点ってなに!なんだよぅ!!泣!終点だよ!決まってんだろが!!こちとらパニックなんだ!これ以上パニックにしないで!!!!(血圧マックス)

 

…気休めに窓の外を見ようそうしよう。

 

 

景色が見えない。そうだった。あたし今までの旅行は全部旅行会社の人がチケット取ってくれて席も決めてくれてたから、初めて自分で席を選んだんだ…ちょっと前にハドソン川の奇跡観ちゃってたんだよ…だからさ…万が一、川とか海とかに着水する時に翼の上に乗れた方がいいだろ!間違いない!ってちょっとよくわかんない決め方で翼の横をわざわざ選んでた。窓からは翼しか見えない。何も見えない。

 

そうこうしてるうちに飲み物サービスの時間がきた!やった!よかった!待ってた!冷たいの飲んで落ち着こうわたし。メニューに「アップルドリンク」って書いてある。飲みたいけど、スッチーにアップルドリンクくださいってちょっと言えない。なんか恥ずかしい。りんごシューズじゃダメだったのかな。アップルドリンクはなんか恥ずかしい。でも飲みたい。意を決してはっきりくっきり「アップルドリンクくださいっ!」って言った。そしたらスッチー笑顔で「かしこました!りんごジュースですね!」って言った。

 

情緒。

 

やっとの思いで新千歳空港に降り立つわたし。ヘロヘロ。ボロボロ。みんなに会うまでに目にコンタクトねじ込んで眉毛描いて髪とかしてなんとかして立て直す。知ってる顔が近づいてきてここで安心したわたし本日ふた泣き目。

 

真駒内セキスイハイムアイスアリーナ

 

とんでもなくかわいい箱だった。泣。小さくてギュッとしててなんとも愛おしい箱だった。泣。双眼鏡一度も使わずに汗までしっかり見えてとんでもなかった。どうかしてる。

 

目の前で「今君に伝えたいこと」目をぎゅうっと瞑ってめいいっぱいの気持ち込めて歌う紫耀さん。涙がハラハラ流れて止まらない。足が震えてどうしようもなかった。

 

紫耀さんがくれたもの、くれようとしたもの、全部全部、ひとつ残らずしっかり受け取った。愛がいっぱいだった。全部焼きつけた。ずっと覚えていたい。忘れたくない。

 

すっかり涼しい北の大地で、感じたことのない喪失感と寂しさ抱きしめて、空港内にて美味しい海鮮丼食べて、写真たくさん撮って、笑って、お別れする時にはおいおい泣いて、また元気で逢おうねって言えて、そんなのとっくに知ってたけど、わかってたけど、好きなひとたちのことを好きなひとたちとただ語り合って心に寄り添って明日からの日々をなんとか乗り越えようねって思えることが、なにより、本当に本当に、わたしの、明日への、活力だった。色んなことあるけど、こうやって重ねて紡いでいくんだずっと。あたしは。

 

帰りの飛行機で、私も高いところにいるのにもっともっと高いところにいるお月様があまりにも綺麗で、翼に(帰りも翼の上) お月様が反射してキラキラしてて、本日泣き納め。

 

ついでに通路挟んで向かいの席の赤ちゃんギャン泣き。あたし仏の顔で「うんうん。そうゆう日もあるよね。いいと思う。そんな日があったっていい。泣きたいなら泣いたらいいよ。じゃんじゃんお泣きなさいな。」の気持ち。

 

紫耀くんが私に優しくしてくれると、私も誰かに優しくできる。紫耀くんがこれでもかと楽しそうにはしゃげば私もすこぶる楽しい。紫耀くんはぎっくり腰も治してしまう。紫耀くんは世界を変える。私が生きてる世界を変えてしまう。

 

振り返ったら何もかもが楽しくて、副反応とぎっくり腰は余計だったけど、飛ぶか飛ばないか行けるのか行けないのか一喜一憂そうゆう時間ひっくるめて全部全部全部、くすぐったくて楽しくて大事なとこに閉じ込めておきたい1週間だった。

 

行けなくなってしまったお友達の代打にと急遽声をかけてくれたお友達も、初めましての私が一緒にいるのを両手広げて優しく受け止めてくれたお友達も、ありがとうありがとうありがとう。

 

起きた?着いた?飛んだ?着いた?合流できた?逢えた?死んだ?着いた?

 

ポンコツな奴が心配すぎてちくいち連絡入れてくれた姉のような母のようなそれでいて乙女な友達にもありがとう。

 

とても信じ難いのだけれど。

明日からまた私の日常に戻る。

またいつか、こんな日が来るかもしれない、の希望を大事に大事にしながら楽しく優しく愉快に一生懸命に暮らしていこ。

 

King&Princeはすごい。

King&Princeは眩しい。

King&Princeはどんな栄養剤よりも世界を元気にする。

 

 

現地集合現地解散空港と会場往復のみの弾丸日帰り北の大地には、まさに、でっかいなにかがあった。

 

 

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