映画ブラック校則もすごいぞ。

 

ソフトにネタバレしますからね。

 

涙涙のブラック校則。

 

ジャニーさんが放った言葉。「子供は大人になれるけど大人は決して子供に帰れない」の意味を改めて体感して自分がすっかり大人になってしまったという事実にぶん殴られた。

 

目の前で繰り広げられる全てのことが、言葉が、表情が、眩しくて切なくてなにより自分がもうそこには戻れないということが心底悲しかった。座っているのにめまいがするほど悲しかった。

 

「創楽と中弥の2人と同世代の若者に観てほしいけど大人の方も楽しめる作品」と謳われることが多いけれど、いやこれはむしろ、大人にこそ刺さる映画ではなかろうか。失った楽しい色とりどりの時間と、ああすればよかったこうすればよかったという後悔と、黒か白に分けられないグレーがあることを許せる自分になってしまったこと。自分にも間違いなくこんな時間があったのにその時には気付けなかったたくさんのことを唇噛みしめながら追体験させてもらった。

 

もったいない。

本当にもったいない。それに尽きる。

 

例えばこれが「深夜帯のドラマの映画化」だとか「ジャニーズの映画」だとか「アイドルと若手俳優の映画」というハンコをぽんっと押されてぱっと見でそこに何ひとつ刺さらない層の人たちに見向きもされないなんてもったいないがすぎる。泣けてくる。泣けてくるよほんと。

 

木村拓哉主演!とか二宮和也主演!とかそうゆう一般層へのパンチは正直ないかもしれん。まだまだこれからの彼らたちかもしれん。だけれども。この映画を観た限り私にしてみたら木村拓哉先輩にも二宮和也先輩にも負けてないほどの熱量と一生懸命さと純真な気持ちがバシバシ往復ビンタしてくれたよ。もっとたくさんの映画館で、大きな箱で上映して欲しかった。彼らを知らない人に見つけて欲しかった。

 

ただの青春映画ではないんだ。僕らの7日間戦争で宮沢りえちゃんがキラキラしてたのよりももっとずっと戦ってるしその戦い方が強くて凛として美しいんだ。自分たち大人が未熟なせいで人を育てられなかったり上手にコントロールできないからと若者を縛り付けて自分と違うものは受け入れない大人の弱さを、ただただ大人の弱さをたくさんの人に観て欲しい。どうすればいいんだ。偉い人よ。なぜもっと宣伝しないんだ。これを。なぜもっと。宣伝しないんだ。

 

とにかく。自軍の末っ子髙橋海人くんがすごいぞ。なにしろ「生きてる」んだ。とても自然に。とてものびのびとそこで生きてる。あぁ。中弥はきっとこんなふうに日常を生きていてこんなふうにクラスメイトとくだらない事を話して、バイト先では店長とふざけながらもしっかり働いてお給料をもらい、家に帰れば家族との時間を過ごす。明るくてでも掴みどころのない彼が時々ふっと見せる悲しみとか切なさとか、恋をして苦しい顔とか、そりゃあもう心がぶるんぶるん揺さぶられてしまう。できることならばもっと中弥の人生を追いたかった。得意のHuluでスピンオフやりませんか。偉い人よ。(契約したとたん魂を売る)

 

そして勝利くんと海ちゃんが2人で歌うシーンは、まぁとにかくホロホロ涙がでて止まらなかった。ホロホロホロホロ泣けるんだ。止まらねぇんだ。勝利くんの真っ直ぐさがよりホロホロ泣かせるんだ。

 

テレビドラマともHuluとも違う。キャストそれぞれにしっかり光が当たってどの子もキラキラ眩しくてもっともっと観ていたいなって思うしみんなみんな幸せになれって願わずにはいられない。そして魅力大爆発の大人キャストたちがこれまた素晴らしすぎて血圧あがりまくり。薬師丸ひろ子さんやら坂井真紀さんやらの女としてのなんていうかその潔さとかいやらしさとか。でんでんさんと光石研さんのツーショットなんてもう鼻血がでるかと思った。そして成海璃子ちゃんバンザイ。

 

 

 

これはね。髙橋海人くんがこれからもっと色んな事を経験してどんどん大人になって本当に好きな人と恋をして優しく守られて愛されて素敵な男の人になっていくだろう未来には絶対にできない20歳の今しかできないそれはそれは素敵なお芝居をしてる映画。そしてきっと語り継がれる作品。髙橋海人という人が世の中に見つかって欲しい。どうか。

 

注)観終わった後の感情をぶちまける誰かと一緒に観ることを強く強くお勧めします。声出さないように気をつけて。